―復活を待ち望んでいたハマリ役への思い―「警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」主演 生瀬勝久インタビュー


―復活を待ち望んでいたハマリ役への思い―「警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」主演 生瀬勝久インタビュー


矢部謙三

―復活を待ち望んでいたハマリ役への思い―

取材・文/海老原誠二

トリックシリーズで人気を呼び、2010年と2013年の2度に渡って連ドラ化された「警部補 矢部謙三」が、auの動画配信サービス・ビデオパスとテレ朝動画限定で配信される。タイトルは、「警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」。連続殺人鬼を逮捕するため山奥の旅館に足を踏み入れた矢部が、最新鋭の人工頭脳と競いながら事件解決に挑むというストーリーだ。注目は、生瀬勝久が演じる横暴で無責任な矢部のキャラクター。頭部に悲しい秘密を抱える彼が、いかに“神懸かり(髪が仮?)”的な活躍を見せるか。クランクインを目前に控えた生瀬に、3年半ぶりにハマリ役に挑む心境と意気込みをヅラっと語ってもらった。

生瀬勝久(ナマセカツヒサ)
1960年10月13日生まれ。兵庫県出身。大学時代に関西の人気劇団に所属、座長を務める(2001年退団)。以降、数多くの舞台、映像、バラエティなどで活躍、唯一無二の存在感を発揮する。近年ではドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子」やNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」、映画「疾風ロンド」「エイプリルフールズ」ほかに出演している。2月26日まで東京、3月3日から6日に大阪で上演される舞台「陥没」に出演。

──約3年半ぶりの矢部謙三復活! オファーを受けたときは、どんな思いがあったのでしょう。

単純にうれしかったですね。自分のキャリアの中でも、矢部は特に楽しく演じられるキャラクターですし、とても好きな作品ですから。3年以上、間が空いてのオファーという点でも、別に驚きはありませんでした。僕自身、終わったコンテンツだとは思っていませんでしたし、依頼さえあればいつでもやれる自信がありましたから(笑)。

「矢部謙三」

「ドラマ 警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」より。©テレビ朝日・東宝

──目上の存在や権威にめっぽう弱い一方、立場が下の人間には異常に厳しい矢部。その特異なキャラクターを演じるうえで、大切にしていることは?

矢部とはもう長い付き合いですから、現場での矢部の感じ方、考え方から出てくる言葉やリアクションは大事にしています。矢部の傍若無人ぶりは、そういう感覚的なところから生まれてくるものですから。そういう“矢部らしさ”のひとつのバロメーターになっているのが、(シリーズを通して演出を担当している)木村(ひさし)監督の反応。一番の観客と言いますか、最初の視聴者は監督ですから。監督が笑ってくれたらOKなんだなと思うようにしています(笑)。

――トリックシリーズ開始以来、足掛け17年に渡って演じ続けてきた役どころ。生瀬さん自身は、矢部謙三の存在をどう感じているのでしょう?

「矢部謙三」

「ドラマ 警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」より。©テレビ朝日・東宝

自分が一番憧れているのが、矢部なのかも知れないですね。人としては絶対に尊敬できませんが(笑)、生き方としては、こんなに自由で幸せな人はいない。自分が得をする、生き残るためには手段を選ばないエゴの塊ですから。動物に近い感覚がある。人間社会の中ではハミ出して見えますが、そういう生き方こそが生物としてまっとうだと思うんです。こんなに純粋な男はいないんじゃないでしょうか。

「矢部謙三」

「ドラマ 警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」より。©テレビ朝日・東宝

──池田鉄洋さん演じる矢部の“3代目相棒”秋葉原人とのコンビも復活です!

いや、矢部としては、そもそもコンビだと思っていないので(笑)。基本的に、秋葉が勝手にまとわりついてきているだけで、矢部は相棒として認めていない(笑)。長い間一緒にいても、距離はまったく縮まっていないですからね。というより、距離はますます離れていっている(笑)。ただ、どこか利用しているようなところもありますから、バディと言えばバディ。とはいえ、秋葉がいなくなっても、たぶん矢部はまったく困らないでしょうね。単に別の人間にチェンジすればいいだけですから(笑)。

──せっかくの機会ですので、イケテツ(池田鉄洋)さんに言っておきたいことがあれば。

いつまでもオレのことを好きでいてくれってことですかね(笑)。現場では、相当イジリ倒してますから。「今の演技、それでいいの?」「もっと可能性あるんじゃないの?」って、真顔で言う(笑)。いまや数々のドラマに出演し、作家としても先生と呼ばれ、プライベートでも結婚して幸せの絶頂にいる。その中で唯一どうにもならないのが僕ですから(笑)。そういう存在がいたほうが、今後の彼のためになると思うんです。“いつまでも認めてくれない”という気持ちが、彼を次のステージに向かわせるんじゃないかと。……なんてことを言うと、「生瀬さんって本当に僕のことが好きなんだ。考えていてくれているんだ」と勘違いするんですけど、それは完全に誤解。ただ、イジっているだけですから(笑)。

──台本を読む限り、我が道を突き進む矢部の人間性は相変わらず。しかし、3年という時を経たことで、矢部のキャラクターに変化も?

昔からのファンにしてみれば、「またアレをやってほしい」「定番のギャグが見たい」といった期待があると思うんですけど、個人的には過去をなぞるのが嫌なたちなので、次に行きたい、何かを変えていきたいという思いがあります。どうせやるなら、振り切っていきたいですから。例えば、耳が遠くなってきたという設定で、今までで一番大きな声でしゃべってみるとか(笑)。「どうしたんだ?」「アイツ大丈夫か?」とネットをザワつかせるくらい、突き抜けたことをやりたい。進化した矢部を見てもらいたいと思っています。

「矢部謙三」

「ドラマ 警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」より。©テレビ朝日・東宝

──矢部といえば、避けては通れない“髪”の話題。その点については、“変化なし”ということでよろしいでしょうか?

そもそも、何の問題も起きていないわけですから、変化も何も、なぜ髪のことを聞かれているのか分からない(笑)。

──今回は、山梨の奥地でロケをされるということですが、相当寒いらしいですし、雨や風なども心配なのでは?

いや、髪の毛がある分、暖かいですから。風雨も心配していません。

──それは、頭に“防寒着”が1枚増えたという解釈で……。

防寒着!? いやいや、矢部の髪は頭皮から直に、自然発生的に生えているものですから、防寒着というカテゴリーには入らんでしょう。そもそも髪というのは、人類の進化とともに、大事な部分を守るという理由で生えてきている。矢部の髪も、類いまれな捜査能力を持つ矢部の頭脳を、寒さや雨風から守るため必然的に生えているんです。すなわち、存在する理由がある。

──ナチュラルヘアの話はさておき、最新作では連続殺人犯を追うとともに、人工頭脳との推理対決も繰り広げられると聞いています。

矢部は戦う気なんてないんですけどね。あっちが勝手に挑んできただけの話で。(キリっと)そもそも矢部は、戦うために刑事をやっているわけではないですから。日本を平和にするために、市民の安全を守るために刑事をやっている。ただ、“時期が違う”というのは、あるのかも知れないですね。事件を解決したいと思っている時期と、今はプライベートだという時期。それが人とズレている。どういうわけか矢部の場合、プライベートなときにばかり事件が起きてしまうので、結果として仕事をサボっているように見えてしまうんです。いつか、ひたすら真面目に働いている矢部も見てもらえたらなと思います。

──最後に、動画の配信を楽しみにしているファンに向けてPRを!

まずは、この作品がコメディであるということを、はっきり言っておきたい。結局何も解決していないじゃないかと言われても困りますから(笑)。最後まで怒らないで観てほしいですね(笑)。

「ドラマ 警部補 矢部謙三~人工頭脳(ZUNOU)VS人工頭毛(ZUMOU)~」は3月7日23時23分よりビデオパスにて見放題配信がスタート


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©テレビ朝日・東宝



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