─19歳で挑んだ初主演映画─「君の膵臓をたべたい」主演:北村匠海インタビュー


─19歳で挑んだ初主演映画─「君の膵臓をたべたい」主演:北村匠海インタビュー


北村匠海

─19歳で挑んだ初主演映画─

取材・文/映画ナタリー編集部 撮影/入江達也

浜辺美波と北村匠海がダブル主演を務める映画「君の膵臓をたべたい」が、7月28日に公開される。住野よるの小説を映画化した本作では、膵臓の病気を抱えた高校生・山内桜良と、彼女の闘病日記を見つけた同級生【僕】の関係が描かれる。浜辺が桜良、北村が【僕】に扮するほか、原作にはない12年後の現在パートでは【僕】を小栗旬が、桜良の親友だった恭子を北川景子が演じる。

ビデオパスでは、本作で映画初主演を果たした北村匠海にインタビュー。2人1役を演じるのは今回で2回目となる小栗旬に関してや、ドラマ「ゆとりですがなにか」「仰げば尊し」など話題作への出演を経て感じた自身の成長について語ってもらった。

北村匠海(キタムラタクミ)
1997年11月3日生まれ、東京都出身。2008年、「DIVE!!」でスクリーンデビュー。主な出演作に「鈴木先生」「陽だまりの彼女」などがあり、2016年には「信長協奏曲」「セーラー服と機関銃 -卒業-」「あやしい彼女」「ディストラクション・ベイビーズ」、そしてドラマ「仰げば尊し」「ゆとりですがなにか」といった話題作へ立て続けに出演した。「君の膵臓をたべたい」で映画初主演。2017年内に出演作「恋と嘘」「勝手にふるえてろ」の公開も控えている。5人組ダンスロックバンドDISH//のメインボーカル兼ギターとしても活動中。

■浜辺美波さんと2人で走りきった映画

──今回は映画主演作ということで、普段とは意気込みが違ったのでしょうか。

逆に意気込まないようにしていました。お芝居をするうえで主演だという特別な意識はなかったですね。でも現場での在り方は考えるようにして、積極的に大人の方との会話に参加するようにしていました。シーンに関して「ここはこうですよね?」など、監督と相談したり。

「君の膵臓をたべたい」

映画「君の膵臓をたべたい」より。

──ダブル主演として参加した浜辺美波さんから刺激を受けた部分はありましたか。

浜辺さんと一緒にやってきて、2人で走りきった映画だと思っているので、刺激を受けたというよりは「お疲れ様でした!」と言いたい感覚ですね。

──同志のような存在ということですかね。

そうですね。浜辺さんは僕よりも3つ歳下で、まだ高校2年生。難しい役どころをひたむきに演じている姿を見て、自分もがんばらないとなと思いました。最初は僕のほうが歳上だし、引っ張っていかなきゃいけないのかなと思っていたんです。でも役柄上受けの芝居が多かったので、浜辺さんが役のうえで引っ張ってくれた場面が多かったです。

■気が付くと自分の前にずっと小栗旬さんがいた

──そして本作では、北村さん演じる【僕】の12年後の姿を、小栗旬さんが演じています。北村さんは「TAJOMARU」で小栗さん扮する主人公・畠山直光の幼少期を演じていましたし、小栗さん監督の「シュアリー・サムデイ」にも出演されました。そして最近では「信長協奏曲」でも共演されましたね。

気が付くと自分の前にずっと小栗さんがいました。昔から俳優としても監督としてもカッコいいなと思う男性が小栗さんだったので、尊敬していました。それで今回、自分の初主演作でこうやってまた同じ役を演じられたっていうのはすごくうれしかったです。

北村匠海

北村匠海

──小栗さんは、北村さん演じる【僕】が涙するシーンを観て、試写会で号泣してしまったそうです。

うれしいですねえ……!!

──そのほかにも小栗さんは、北村さんの成長を感じたともおっしゃっていました。若い役者さんは自分の個性を無理に役に乗せてしまう人が多いけど、北村さんは無駄に自分を出さないので役がしっかり成り立っていた、と

それは僕がDISH//として音楽活動をやっていることが関係しているかもしれないですね。今の僕の音楽活動は個性で勝負しなくちゃいけない部分があるんじゃないかと思っていて、逆に俳優としては無個性でいたい、自分を消していたいと思ってるんです。どの作品を観ても「(役ではなく)北村匠海じゃん!」となるのが嫌なので、観ている人に「あっあの役、北村匠海だったんだ!」と言われるくらいの存在感でいられたらいいなと。あと今回小栗さんにそう言っていただけたのは、自分に似ている役だったこともあると思います。

■この役との出会いは運命

──ご自身に似ているという【僕】は、クラスでも存在感の薄い、地味な男の子です。

他人との距離感だったり、壁を作ってしまうところに共感しました。中1から中3の頃は自分の殻に閉じこもっていることが多かったので、【僕】に一番近い時代だったかもしれません(笑)。

北村匠海

北村匠海

──その頃、一体何があったんでしょうか?(笑)

他人に興味がなかったというわけではないのですが、1人で過ごす時間が意外と居心地がよかったというか……。だから【僕】を演じることで、そういう過去を追体験している感じがして。小栗さんも【僕】は達観しているところがあるとおっしゃっていたんですが、大人びているような、自分の世界が心地いいと思っているような高校生だと思う。それが自分を見ている感覚で心地よくて、この役との出会いは運命だと思いましたね。

■才能があるタイプではない

──最近では映画「あやしい彼女」「ディストラクション・ベイビーズ」やドラマ「仰げば尊し」「ゆとりですがなにか」など話題作に出演することが多いですね。その経験を通して、成長したと思う点や、具体的にできるようになったことはありますか?

この2年くらいで、前よりもお芝居のことを深く考えられるようになってるんじゃないかなと思います。自分のスタイルを見つけたというか。役者さんって人それぞれで、撮影期間中はずっとその役として生きる方もいれば、カメラが回っていないところではきっぱり切り替える方もいます。そうやっていろんな役作りの方法がある中で、僕は細かく細かく自分の中で設定を作っていったほうがやりやすいんだなっていうことに気付きました。

──例えばどういった設定でしょうか?

「仰げば尊し」だったら、僕が演じる安保圭太はなんでリーゼントなんだろう?っていうところから始まって、どういう家庭環境で育ったらこんな髪型になるのかを考えるんです。あくまで僕の解釈ですけど、彼は本当のヤンキーではなく、ヤンキーに憧れて生きている人間。だから彼の中で、ヤンキー=リーゼントだったんでしょうね。……みたいなことを監督と話して、演技にもつなげていきました。

「君の膵臓をたべたい」

映画「君の膵臓をたべたい」より。

──なるほど。では「君の膵臓をたべたい」の【僕】で言うと?

【僕】は決して他人が嫌いではないけれど、「1人でいるのが心地いい」っていう逃げ道をつい作っているような人間。僕自身と同じなんですが、すごく普通の家庭環境で育ったんだろうなって想像していました。そうやって芝居することは2年前の自分ではなかったな、3年前なんかは本当に感覚で芝居していて。そこは変わったかなと思いますね。

──自分なりに演技のコツをつかんだということですね。

やっぱりもうすぐ20歳になるので、高校生の頃の自分とは違って、役者としてちょっと大人になれたのかな。僕は才能があるタイプではないので、子役から始めて、約10年かけてやっとこの段階にくることができました。考えてみると、すごくスロースタートだったと思うんですけど、今は本当に役者というお仕事が楽しいです。

■12年後にもし監督する機会があれば……

──では最後の質問です。「君の膵臓をたべたい」では学生時代の【僕】と12年後の【僕】の姿が描かれました。北村さんは12年後、どうなっていたいですか?

そうですね。もちろん音楽も映画も役者もこのまま続けていきたいです。あとは強いていうなら……新たなことにもチャレンジしていたいですね。

──音楽やお芝居以外にですか?

はい、写真や絵も好きですし。「シュアリー・サムデイ」に出たときに、小栗さんを見て「役者が監督やるってカッコいい!」って感銘を受けたんです。映画だったりドラマだったり、作品を作ることが好きなので、例えばもし12年後に監督をする機会があったとしたら、どんなに小さな映画でも作ってみたいなと思います。

「君の膵臓をたべたい」は7月28日より全国にてロードショー

kimisui

©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会
©住野よる/双葉社

監督:月川翔
出演:浜辺美波・北村匠海・大友花恋・矢本悠馬・桜田通・森下大地・上地雄輔・北川景子・小栗旬

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